治療法
あなたやあなたが愛するご家族の方に肝臓がんが発見された場合、治療法を決定するために相談できる医師チームがいることを知っておいてください。以下のような専門医がいます。:
- 肝臓専門医/肝臓がん専門の消化器病専門医
- 放射線治療専門医
- 腫瘍専門医
- 外科医 (移植外科医、外科的腫瘍専門医、肝胆膵専門の消化器外科専門医)
治療法はがんの種類と進展度、肝機能の程度、患者の健康状態により異なります。
- がんが肝臓から他の部位に転移していない場合は、腫瘍の切除または肝臓移植が考慮されます。2,9
- 進展期にある場合、肝臓の腫瘍を直接攻撃する複数の治療法があります。(局所療法参照) 2,9
- また、最近承認されたばかりの、がんの進行を遅らせる経口薬治療があります。(全身療法参照)
外科手術
外科手術は原発性肝臓がんを対象とする治療です。肝臓の腫瘍部位を切除することにより治癒または術後の長期生存が見込まれます。2
- 外科的切除: 肝臓内のひとつまたは複数の腫瘍ならびに周辺組織を、それらが小さく、同一の肝小葉にある場合は、取り除くことが可能です。2
- 患者に肝硬変が見られるも、肝機能が維持されている場合は、切除術も選択肢として考慮されます。
- しかしながら、切除術が適用できる症例は多くありません。2
- 肝臓移植: 肝臓移植:小型の腫瘍ならびに進行肝硬変を発症している患者には肝臓移植が考慮されます。2 日本では肝臓移植例は少なく、そのほとんどは高度な肝機能障害を有する患者に適用されています。
局所療法2, 9
がんがいまだ浸潤していないながらも、患者に手術を受ける体力がない場合、肝臓内の腫瘍を攻撃、または死滅させる治療法が適用されます。
- 経皮的エタノール注射 (PEI:Percutaneous ethanol injection) は、手術の行なえないこれらの患者に有用な治療法となりえます。これは超音波診断装置(エコー検査)で腫瘍部を確認しながら行なわれます。アルコールまたは他の物質を肝臓に注入し、腫瘍の破壊を促します。
- ラジオ波焼灼療法 (RFA:Radiofrequency ablation) は、高周波の電流を用いて腫瘍細胞を破壊する療法です。腫瘍部位のそばに電極を刺し、熱により腫瘍内のがん細胞を死滅させます。
- 冷凍外科療法は、 極低温を用いて腫瘍を凍結させる療法です。超音波診断装置(エコー検査)で確認しながら液体窒素を腫瘍に直接注入します。凍結、解凍を二回繰り返します。この施術は単体でも、切除術と併用して行なうこともできます。
- 肝動脈塞栓療法 (TACE:Transarterial chemoembolization) ) は、腫瘍への血流を遮断し、抗がん剤を腫瘍に直接投与する治療法です。高い濃度の薬剤を長期間腫瘍に働かせることができます。
全身療法*
全身療法とは、全身に働きかける治療法のことです。近年、より新しい療法が開発されています。これは、がん細胞および腫瘍の増殖・浸潤を促進する特定のタンパク質メッセンジャー (キナーゼ類) を標的とするものです。ある種のキナーゼががん細胞への経路を信号で送り、制御できないがん細胞の分化を促進し、腫瘍を形成させていることが、研究でわかっています。他にも、周辺の腫瘍内への経路を信号で送る重要なキナーゼがあり、これが腫瘍に酸素と栄養を送る新しい血管の形成 (新血管新生) を助成しています。これもまたがんの進行と浸潤を食い止めるための重要な標的です。21, 22
